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2023年12月18日

口が乾く人は要注意!唾液の大切な役割と口腔内乾燥の対処法について徹底解説!

成人の場合、一般的には1.0~1.5リットルの唾液が一日に分泌されるとされていますが、これは個人によって異なり、季節、年齢、性別、身体の状態、服用している薬などによって変動します。唾液の分泌には、安静時においては刺激なしでも自発的に分泌される安静時唾液と、食事などの刺激に応じて分泌される刺激唾液の二つがあり、これらが口腔内を恒常的に湿潤に保っています。

唾液にはさまざまな重要な機能があり、口腔だけでなく全身の正常な機能に寄与しています。これには粘膜の保護、自浄作用、水分のバランス維持、潤滑作用、酸や細菌への緩衝作用、抗菌作用、消化補助、組織修復、歯の再石灰化促進、発がん予防などが含まれます。唾液の存在は、口腔および全身の健康を維持するために欠かせないものです。

本日は唾液について詳しく解説いたします。

唾液の機能

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唾液の機能

唾液にはさまざまな重要な機能があり、口腔内および全身の健康に寄与しています。以下は、唾液の主な機能です

消化補助

唾液にはアミラーゼと呼ばれる酵素が含まれており、これが主に炭水化物を分解してブドウ糖に変換します。消化が口腔で始まり、食べ物が嚥下されると胃での消化が効率的に行われるようになります。

口腔内の清浄

唾液は口腔内を洗浄し、細菌や食べカスを取り除くことで口の健康を維持します。これにより、虫歯や歯周病の予防が行われます。

歯の保護

唾液にはカルシウムやリンなどのミネラルが含まれており、歯を強化し、酸から歯を守る役割を果たします。また、歯の表面をコーティングしてプラーク(歯垢)の形成を抑制します。

口腔内の潤滑

唾液は口腔内を潤滑に保ち、飲み込みや話す際の摩擦を減少させます。

酸の緩衝

唾液は口腔内の酸性度を中和し、歯や口腔組織を酸から守ります。これにより、歯のエナメル質が酸による脱灰から守られます。

抗菌作用

唾液には抗菌物質が含まれており、口腔内の細菌の繁殖を抑制します。これが口の中の微生物のバランスを維持し、口臭や感染症のリスクを低減します。

組織修復

唾液には傷ついた口腔組織を修復する成分も含まれています。

再石灰化

歯のエナメル質が脱灰した場合、唾液中のミネラルが歯に戻り、再石灰化が促進されます。

発がん予防

唾液には発がんを防ぐための抗酸化物質が含まれており、口腔内の健康を維持します。

これらの機能は、口腔内の環境を適切に保ち、全身の健康に寄与します。

唾液の組成

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唾液の組成

唾液は主に水分、電解質、酵素、ミネラル、粘液、抗菌物質、および細胞から構成されています。以下は、主な唾液の成分とその機能です:

水分

唾液の主成分であり、口腔内を潤滑にし、食物の摂取や嚥下を助けます。

電解質

主にナトリウム、カリウム、クロール、リンなどの電解質が含まれています。これらは細胞の正常な機能や神経伝達に重要な役割を果たします。

消化酵素(アミラーゼ)

炭水化物を分解する酵素です。アミラーゼは特にでんぷんや糖を単糖に分解し、口腔内での消化を助けます。

ミネラル

カルシウムやリンなどのミネラルが含まれており、歯の再石灰化や硬化に寄与します。

粘液

口腔内を覆い、潤滑作用を提供し、食物の摂取や嚥下を容易にします。

抗菌物質

ラクトフェリンやリゾチームなどの抗菌性の成分が含まれており、口腔内の細菌の成長を抑制します。

免疫細胞

唾液には白血球やリンパ球などの免疫細胞が含まれており、口腔内での感染症への対抗に役立ちます。

これらの成分が組み合わさり、唾液が口腔内でさまざまな機能を果たすことができます。唾液の組成は個人や状態によって異なり、そのバランスが口腔および全身の健康に影響を与える可能性があります。

唾液はどのように分泌されるのか

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唾液分泌の仕組み

唾液の分泌は、主に唾液腺と呼ばれる特定の組織や器官によって制御されます。人間の口腔内にはいくつかの唾液腺が存在し、それらが協力して唾液を生成し分泌します。主な唾液腺には以下の三つがあります。

耳下腺(耳下腺)

口腔内の下側に位置し、下顎骨の下にあります。

顎下腺(顎下腺)

口腔内の底部に位置し、下顎骨の下にあります。

舌下腺(舌下腺)

口の底にある小さな唾液腺で、舌の下に位置しています。

唾液の分泌は通常、自律神経系によって制御されています。以下は、唾液分泌の主な過程です

刺激

唾液の分泌は通常、食物の摂取、嚥下、または口の中に刺激がかかったときに促進されます。食べ物や刺激が感知されると、脳や神経系がその情報を受け取ります。

神経刺激

刺激を受けた情報は、自律神経系を介して唾液腺に伝達されます。自律神経系は交感神経と副交感神経から成り、これらの神経が調節されることで唾液の分泌が制御されます。

唾液腺への刺激

刺激を受けた唾液腺は、神経の信号を受けて刺激に応じた量の唾液を分泌します。

分泌の開始と増加

刺激により唾液分泌が開始され、食事中や食事前など、特定の状況で分泌が増加します。分泌された唾液は口腔内に放出され、食物の摂取や嚥下を助け、口の中を潤滑に保ちます。

唾液の分泌は、身体の自然な反応であり、食事や口腔内の状態に適応しています。唾液の分泌が適切に行われることは口腔および全身の健康にとって重要です。

唾液の分泌が減るとどうなるか

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唾液が減るとどうなるか

唾液の分泌が減少すると、さまざまな口腔および全身の問題が発生する可能性があります。以下は、唾液減少が引き起こす影響のいくつかです

口の渇き(乾燥感)

唾液は口腔内を潤滑にし、乾燥を防ぐ役割があります。唾液の不足により口が渇き、不快感を引き起こすことがあります。

食事の嚥下困難

唾液は食物を潤滑にし、嚥下を容易にします。唾液不足の場合、食物が喉を通すのが難しくなり、嚥下困難が生じる可能性があります。

口臭(口の悪臭)

唾液は口腔内の細菌を制御し、口臭の発生を抑える役割があります。唾液不足により口腔内の細菌が増殖しやすくなり、口臭が生じやすくなります。

歯の健康問題

唾液は歯を保護し、再石灰化を促進する役割があります。唾液不足により歯が十分な保護を受けられなくなり、虫歯や歯周病のリスクが上がります。

口腔感染症のリスク増加

唾液には抗菌作用があり、口腔内の微生物の増殖を抑制します。唾液不足により口腔内の細菌が増殖しやすくなり、口腔感染症のリスクが増加します。

話す際の摩擦増加

唾液が不足すると口腔内が乾燥し、話す際の摩擦が増加します。これが声帯に負担をかけ、声の質に影響を与えることがあります。

唾液不足の状態は、さまざまな原因によって引き起こされる可能性があります。一時的なものから慢性的なものまで、原因によって症状や影響は異なります。唾液不足を感じる場合は、歯科医や医師に相談することが重要です。

なぜ唾液の分泌が減るのか

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唾液分泌が減少する理由


唾液の分泌が減少する原因はさまざまで、一般的な要因には以下のようなものがあります

年齢

年齢が上がると、唾液の分泌量が減少する傾向があります。高齢者では、唾液腺の機能が低下することが一因とされています。

薬物

特定の薬物や医薬品は、唾液の分泌を減少させることがあります。抗うつ薬、抗不安薬、抗ヒスタミン薬、抗高血圧薬、抗てんかん薬などがその例です。

自己免疫疾患

自己免疫疾患の一部では、唾液腺に対する免疫反応が起こり、炎症が生じて唾液の分泌が低下します。これを主とした疾患としては、シェーグレン症候群があります。

自己免疫疾患

頭部や頸部のがん治療の一環として行われる放射線療法は、唾液腺に影響を与えて分泌を減少させることがあります。

ストレス

長期間にわたるストレスや不安は、自律神経のバランスを崩し、唾液分泌を減少させる可能性があります。

脱水症状

十分な水分摂取がないと、唾液の分泌が低下します。脱水症状は唾液が粘り気を増し、口腔内が乾燥することがあります。

口腔疾患

口腔内の炎症や感染症、歯周病などが唾液の減少につながることがあります。

喫煙

タバコを喫煙することは口腔内の健康に悪影響を与え、唾液の分泌を減少させる可能性があります。

唾液の分泌が減ると、口腔内の健康が悪化する可能性があり、口の渇きや口臭、歯周病、虫歯のリスクが高まります。唾液不足の症状を感じる場合は、医師や歯科医に相談し、原因を特定して適切な対策を取ることが重要です。

唾液の分泌が減った時の対処法

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唾液分泌を促す方法

唾液の分泌が減少した場合、いくつかの対処法があります。以下は、唾液不足に対処するための一般的な方法です:

水分補給

十分な水分を摂ることが重要です。水分の不足は唾液の減少につながりますので、こまめに水を飲むよう心がけましょう。特に食事前や食事中に水分を摂ると、唾液の分泌を促進する助けになります。

糖なしのガムやキャンディ

糖なしのガムやキャンディを噛むことは、唾液の分泌を刺激する助けになります。噛むことで唾液腺が刺激され、口腔内の潤滑が促進されます。

酸味のある食品

酸味のある食品(例: レモンや酸っぱい飴)を摂ると、唾液の分泌が増加することがあります。ただし、歯のエナメル質を傷つける可能性があるため、適度な量に留めてください。

唾液代替物

唾液代替物や口腔保湿剤を使用することで、口腔内を潤すことができます。これらの製品はドラッグストアで入手可能です。

口腔ケアの改善

口腔の清潔を保つことも重要です。適切な歯磨きやフロス使い、歯科検診の定期的な受診などが唾液不足のリスクを軽減します。

湿度の管理

居住環境の湿度が低い場合、加湿器を使用して空気中の湿度を保つことが口腔内の乾燥を緩和するのに役立ちます。

医師や歯科医との相談

唾液不足が持続する場合は、医師や歯科医に相談しましょう。原因によっては、特定の医療処置や処方薬が必要な場合があります。

唾液腺マッサージも効果的

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唾液腺マッサージ

唾液腺マッサージは、唾液腺の刺激を促進し、唾液分泌を増加させるための手法です。以下は、唾液腺マッサージを行う基本的な手順です。ただし、実施前に医師や歯科医と相談することが重要であり、特に唾液腺に異常がある場合には専門家の指導を仰ぐべきです。

手洗いと口内の清潔

手を洗い、また口内も清潔に保ってください。

リラックス

リラックスした状態でいることが大切です。リラックスすると、唾液腺がより効果的に刺激されることがあります。

指を使用する

中指または示指を使って、マッサージしたい唾液腺を軽く押さえます。唾液腺は主に耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つがあります。

円を描くようなマッサージ

軽く指を使って、時計回りまたは反時計回りに円を描くようにして唾液腺をマッサージします。唾液腺は耳下腺の場合は耳の後ろ、顎下腺は下顎の下、舌下腺は舌の下に位置します。

優しく押圧

優しく押圧しながら、唾液腺に対して少し押し込むようにします。ただし、強い圧力をかけることは避け、痛みを感じる場合は即座に停止します。

数分続ける

1回のセッションで5分程度、定期的に行うことが効果的です。週に数回から毎日行うと良いでしょう。

注意事項:

  • 痛みを感じる場合や、唾液腺が異常な腫れや炎症を示す場合は、直ちに医師や歯科医に相談してください。
  • 特に唾液腺に問題がある場合は、医師や歯科医の指導を仰ぐことが重要です。
  • マッサージを行う際には優しく行い、無理な力を加えないようにしましょう。

唾液腺マッサージは、個人の健康状態や症状によっては適さない場合もあります。安全で効果的な方法を見つけるためには、医療専門家の助言を仰ぐことが大切です。

最後に

当医院では、唾液の健康に注力しています。唾液は口腔内の重要な要素であり、口の健康に直接影響を与えます。正常な唾液分泌は歯の保護、口腔の清潔維持、食物の消化など多岐にわたる重要な役割を果たしています。

唾液が不足すると、口腔内の乾燥や口臭、歯の健康問題などが発生する可能性があります。当医院では、患者様の口腔健康を保つために、唾液の分泌量や質に注意を払い、適切なケアを提供しています。

口腔健康を維持するために、唾液の状態に不安を感じた場合や関連する症状がある場合は、ぜひ当医院にご相談ください。専門の歯科医師が患者様の状態を評価し、最適な対処法や治療プランをご提案いたします。お口の健康は全身の健康にも大きく影響しますので、定期的な歯科検診や相談がおすすめです。当医院でお待ちしております。

また、当医院のデンタルエステ・オプションであるオーラルマッサージも効果的です。
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