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2025年12月14日

今日から家庭でできる!—MFTと食育で“歯並びを育てる”実践ガイド—part2

前回の記事をお読みでない方はpart1からぜひご覧ください。

今日からできる!噛む力を育てる食材の選び方

いきなり、全部硬いメニューにしましょうなんて言わないのでご安心ください。
負担にならず続けられるコツは、普段の食事に「ちょい足し」することです。

●おすすめの“噛むトレ”食材

・れんこん
・きのこ
・ごぼう
・にんじん
・大根 生 or 厚めの煮物
・とうもろこし
・りんご
・するめ・小魚
・厚揚げ
・枝豆

これらは噛む刺激が多く、顎の成長にとても良いです。

●大事なのは“硬さよりも噛む回数”

例えば、同じ柔らかさでも
・大根を大きめに切る
・にんじんをゴロっと入れる
・お肉を少し厚めにする
ただこれだけで噛む回数が数倍になります。

一口の量を“あえて少なく”するのがコツ!

噛む力を伸ばすには、まず「しっかり噛める」ようにすることが一番大事です。

よくあるのが、食べ物を口いっぱいに詰め込んでしまう子。

一口の量が多いと、

  • ついゴックンと飲み込んでしまう
  • 舌がうまく動かない
  • 頬や唇の筋肉を使わない
  • 噛まずに飲み込むクセがつく

という状態になりやすいんです。これだと、口の筋肉が全然発達しません。

そこで、「一口サイズにしてみようか」とか「ちゃんとモグモグできてるかな?飲み込む前に噛んでる?」などと声をかけてみてください。これだけで、飲み込み方が見違えるように変わりますよ。

“前歯を使う”習慣をつくることも、すごく大事!

実は最近、
前歯を使わない子がとても多い です。

スプーン・フォーク・小さく切られた食材……
これらは便利ですが、前歯を使う機会を減らしてしまいます。

●前歯をしっかり使うメリット

・食べ物を正しく“かじり取る”力が育つ
・唇を閉じる筋肉が鍛えられる
・口呼吸の改善にも効果

リンゴを丸かじり、とうもろこし、フランスパンの端っこなど、
「前歯を使わないと食べれない食材」を時々取り入れるだけでもOK。

姿勢が悪いと、噛む力は半分しか発揮できない

実は見落とされがちなのが“姿勢”。
猫背のまま食べている子は、噛む力を十分に使えません。

正しい姿勢の条件は…

・足が床、または踏み台にしっかりつく
・背筋はピンッではなく「軽く伸ばす」程度
・肘を机に置きすぎない

姿勢が整うだけで、噛む・飲み込む・呼吸のすべてがスムーズになります。

噛む力を育てるための“食べるリズム”

食生活で一番大きな問題は…
“ダラダラ食べ”です。

ダラダラ食べになると
・口が閉じにくくなる
・唾液がうまく働けない
・噛む回数が減る

結果として、むし歯も歯並びも悪くなりやすい状態に。

食べる時間をある程度決めると、
噛む力も育ちやすく、口が発達しやすくなります。

親御さんが“楽しんでる空気”がいちばんの食育

お子さんって、周りの様子をすごく敏感に察知しますよね。

だから、「ちゃんと噛んで食べなさい!」って言われると、どうしても食べるのが嫌になっちゃうみたいなんです。

でも、

「このごぼう、噛むといい音するね!」とか
「とうもろこし、一緒にガブッてしてみようか!」みたいに、

楽しい雰囲気で食事ができると、自然と口の機能が発達していくんですよ。

まとめ

噛む力を育てる食育は、
・食材のちょい足し
・前歯を使う工夫
・一口を小さく
・姿勢を整える
・食べるリズムをつくる
こんな小さな積み重ねで十分効果があります。

難しいことを完璧にやる必要はありません。
毎日の食卓で「ちょっと工夫してみようかな」
その程度で、歯並びはちゃんと変わってきます。

MFT×食育で「歯並びが変わる子」と「変わりにくい子」の違い

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MFTと食育 

正直にお話しすると、
同じMFTをして、同じような食育の話をしても、変化が出やすい子と、そうでない子がいます。

これって、才能や遺伝の差ではありません。
ましてや「親御さんの頑張りが足りない」なんてことも、決してありません。

違いが出る理由は、とてもシンプルで、
“日常への落とし込み方”の差なんです。

ここでは、歯科の現場で実際によく見る
「うまくいきやすいパターン」と「つまずきやすいポイント」をお伝えしますね。

変わる子は「完璧」を目指していない

まず意外に思われるかもしれませんが、
歯並びが変わりやすい子のご家庭ほど、力が抜けています。

・毎日全部のMFTをやっている
・食育を100点満点で実践している

というよりも、

「今日は舌の位置だけ意識できたね」
「今日は前歯でかじれたからOK!」

こんなふうに、“できたところ”をちゃんと拾っているご家庭が多いんです。

逆に変わりにくいケースは、
「ちゃんとやらせなきゃ」
「できてないのが気になってしまう」
と、どうしても緊張感が強くなりがち。

MFTも食育も、続いてこそ意味があるもの。
ゆるく、でも長く続いているかどうかが、大きな分かれ道になります。

変わる子は「声かけ」がやさしい

お子さんの歯並びで悩んでいる親御さんに、ちょっとしたアドバイスです。ついついちゃんと噛んでとか舌の位置が違うって言いたくなりますよね。でも、それよりは良いところを見つけて褒めてあげるのがおすすめです。よく噛めて偉いね~と、できている部分を具体的に伝えてあげましょう。

子供って、褒められると嬉しいし、自然とまた同じようにしようとするんです。逆に、注意ばかりだと緊張して、うまくできなくなっちゃうこともあるので、気をつけてみてください。

変わる子は「生活全体」で見ている

MFTや食育を、特別な時間だけにしていません。そこが大きなポイントです。

例えば、テレビを見ている時にお子さんの口はちゃんと閉じているか、宿題中に猫背になっていないか、ゲーム中に口が開きっぱなしになっていないか、そういった普段の何気ない時の口の使い方も見ています。

歯並びに影響を与えるのは、1日5分のトレーニングより、むしろ1日中の無意識のクセなんです。

だから、「食事の時だけ頑張る」よりも、「日々の生活全体で少しずつ整えていく」というご家庭の方が良い結果につながりやすいんです。

変わりにくい子に多い“もったいない共通点”

ここは少しだけ、正直な話をしますね。

変わりにくいケースでよく見るのは、

・柔らかい食事がほとんど
・早食い、丸飲みが当たり前
・姿勢は気になるけど、そのまま
・忙しくて声かけが後回し
・「そのうち大きくなれば…」と様子見が長い

どれも「よくあること」ですし、
責められるようなことではありません。

ただ、これらが重なると
MFTの効果が出にくくなってしまうのも事実です。

逆に言えば、
1つずつ崩していけば、ちゃんと変わる余地がある、ということでもあります。

「変わる・変わらない」は途中で決まるものじゃない

とても大切なので、はっきりお伝えします。

最初にうまくできなくても、まったく問題ありません。

・舌がすぐ下に落ちる
・口がなかなか閉じられない
・噛むのが遅い

これは“できない”のではなく、
「まだ筋肉と神経が育っていないだけ」。

正しい刺激を、正しい方向で、繰り返していけば、
体はちゃんと応えてくれます。

歯並びが変わりやすい子は、
最初から完璧だった子ではなく、
途中で“コツをつかめた子”がほとんどです。

~最後に~すべてが“生活習慣だけ”で解決できるわけではないことも

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MFTと食育だけではで解決しないこともある 

ここまで読むと、
「MFTと食育を頑張れば、どんな歯並びも良くなるの?」
と思われた方もいるかもしれません。

でも、正直にお伝えすると
すべてのケースが、生活習慣の改善だけで解決できるわけではありません。

これ、とても大事なポイントです。

骨格的な要因が強いケースも、確かにあります

たとえば、

・上あごと下あごの大きさの差が大きい
・受け口の傾向が家族に多い
・あごの成長方向に大きな偏りがある
・顔立ちとして、上下のズレがはっきりしている

こうしたケースでは、
骨格そのものが歯並びに強く影響しているため、
MFTや食育だけで「見た目の歯並び」を完全に整えるのは難しいこともあります。

これは、決して失敗でも、手遅れでもありません。

それでもMFT×食育が“無駄にならない”理由

「じゃあ、骨格の問題があるなら意味ないの?」
と思ってしまいますよね。

でも、ここがとても大切なところです。

骨格的な問題がある場合でも、
MFTと食育は“やっておいて良かった”と思える場面が本当に多いんです。

なぜなら、

・舌や唇のクセを改善できる
・口呼吸を鼻呼吸に近づけられる
・噛む力・飲み込む力が育つ
・姿勢や呼吸が安定する
・将来の矯正治療がスムーズになる
・治療後の後戻りを防ぎやすくなる

つまり、
骨格治療や矯正の「土台づくり」になるということ。

何もしていない状態で矯正を始めるより、
MFTと食育で口の使い方が整っている方が、
結果も安定しやすく、治療期間が短くなることも少なくありません。

変わりにくい=意味がない」ではない

ここも、ぜひ知っておいてほしいところです。

歯並びの変化がゆっくりだったり、
見た目として大きな変化が出にくかったとしても、

・口が閉じやすくなった
・食べこぼしが減った
・発音がはっきりした
・いびきや口呼吸が減った
・食事に時間がかかりすぎなくなった

こうした“機能の変化”は、確実に現れます。

歯並びだけがゴールではありません。
「正しく食べる・正しく呼吸する・正しく使う」
この力が育つこと自体が、子どもにとって大きな財産です。

歯科医院での評価が大切な理由

だからこそ、
「家庭でできること」と「歯科医院での評価」は、必ずセットで考えてほしいんです。

骨格の影響がどの程度あるのか、
成長でどこまで改善が見込めるのか、
いつ・どんなサポートが必要になるのか。

これらは、
実際にお口と成長を見ている歯科だからこそ判断できる部分です。

家庭で頑張りすぎてしまう前に、
「今の取り組み、合ってますか?」
と確認する場所として、歯科医院を使ってください。

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