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2024年09月21日

口が開かない…顎が痛い…それ、顎関節症かも?~症状と原因編~

一つでも当てはまったら顎関節症かも?疑われる10個の症状

和光市 歯医者 和光市デンタルオフィス 顎関節症
顎関節症の症状

顎関節症は、顎の関節や周囲の筋肉などにさまざまな症状を引き起こします。
次の症状に一つでも当てはまれば、顎関節症の疑いがあります。

1. 顎の痛みや不快感
  • 顎の関節や周囲の筋肉に痛みが生じる。
  • 特に、顎を動かすときや食事中に痛みが強くなることがある。
2. 顎の動きの制限
  • 口を大きく開けることが困難、または開けたときに引っかかる感じがある。
  • 顎が完全に開けられない、または閉じられない。
3. 顎の音(かくかく音やぽきぽき音)
  • 口を開けたり閉じたりするときに、顎の関節からかくかく、ぽきぽきといった音がする。
  • 音は痛みを伴う場合と伴わない場合がある。
4. 顎のこわばりや緊張
  • 顎の周りの筋肉が硬く感じたり、緊張している感じが続く。
5. 耳の症状
  • 耳鳴り、耳の圧迫感、耳の痛みなどの耳の問題が起こることがある。
  • 耳の症状があるが、耳自体に問題が見当たらない。
6. 頭痛や首の痛み
  • 特に側頭部や後頭部、首の痛みが伴うことが多い。
  • 筋肉の緊張による頭痛が関連していることがある。
7. かみ合わせの違和感
  • 歯をかみ合わせたときに、何かがずれている感じや不自然さを感じる。
8. 顔面の痛みや腫れ
  • 顔の一部が痛む、または腫れている感じがある。
  • 特に片側の顔面が影響を受けやすい。
9. 肩や背中の痛み
  • 顎の問題が筋肉のバランスに影響を与え、肩や背中に痛みやこわばりが生じることがある。
10. 顎の疲労感
  • 食事や会話後に顎が疲れる感じが続く。

顎関節症の原因

顎関節症とは、顎の関節(顎関節)やその周囲の筋肉に問題が生じ、痛みや動きの制限などの症状を引き起こす疾患です。顎関節は、頭蓋骨と下顎骨をつなぐ関節で、口を開けたり閉じたりする際に重要な役割を果たしています。

噛み合わせの問題

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噛み合わせの問題

顎関節症の原因の一つである「噛み合わせの問題」は、顎の関節や周囲の筋肉に過度の負担をかけることで、痛みや不調を引き起こします。噛み合わせは、上下の歯がどのように接触するかを指し、この接触が適切でない場合、顎関節や筋肉のバランスが崩れることになります。通常、口を閉じた状態では、上下の歯が均等に接触し、顎の動きがスムーズに行える状態であるのが理想です。しかし、噛み合わせが乱れていると、特定の部分の歯にのみ過剰な力がかかるため、顎の関節に不均等な負荷がかかります。

例えば、上下の歯の高さが揃っていない場合や、一部の歯が失われている状態で咬合が変わると、顎を動かす際に特定の方向へ引っ張られたり、歯が適切に接触しなかったりします。これにより、顎関節やその周囲の筋肉に過度の緊張が生じ、痛みや炎症が引き起こされます。

噛み合わせの問題は、自然な歯の位置のズレや歯列不正、矯正治療後の不適切な歯列の固定などが原因で生じることがあり、歯の摩耗や欠損、または虫歯治療による詰め物やかぶせ物が適切に調整されていない場合にも発生します。さらに、歯ぎしりや食いしばりの癖も噛み合わせに大きな影響を与え、これらの習慣が長期間続くと、顎関節や筋肉が慢性的に緊張し、顎関節症の発症を促進します。

噛み合わせの問題による顎関節症の発症は徐々に進行することが多く、最初は顎の疲労感や軽度の痛みから始まりますが、放置しておくと症状が悪化し、口を開ける動作が困難になる、顎が音を立てる、さらには慢性的な頭痛や肩こりを引き起こすこともあります。

ストレスや緊張

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ストレスや緊張の問題

顎関節症の原因の一つとして、精神的なストレスや緊張は大きく関与しています。ストレスや緊張が高まると、身体は無意識のうちにさまざまな反応を引き起こし、その一つが「歯の食いしばり」や「歯ぎしり」といった行動です。これらの反応は、通常、顎や顔の筋肉に大きな負荷をかけることになり、その結果、顎関節や周囲の筋肉が緊張し、痛みや違和感が生じることがあります。

ストレスを感じると、自律神経系が活性化され、体は「戦うか逃げるか」という防衛反応を示すことがあります。この反応の一環として、無意識に顎の筋肉を緊張させ、歯を強く噛みしめることがよくあります。特に、仕事のプレッシャーや日常生活での不安が続くと、この緊張状態が慢性化し、顎の関節に慢性的な圧力がかかり続けます。日中に気づかないうちに歯を食いしばっていたり、夜間に歯ぎしりをすることが多くなると、顎の筋肉は常に緊張した状態に置かれ、結果として顎関節に不調をきたすのです。

さらに、ストレスや緊張が体全体の筋肉にも影響を及ぼし、肩や首の筋肉が硬直することで、顎に関連する筋肉にも負担がかかります。特に肩こりや首の痛みと顎の痛みが連動するケースが多く、ストレスが原因で顎関節症を引き起こすことがあるのです。この連動によって、顎の痛みだけでなく、頭痛や耳鳴り、さらには首や肩にかけての痛みも感じることがあります。

また、ストレスによって睡眠の質が低下することも、顎関節症のリスクを高める要因です。十分な睡眠が取れない状態では、体が十分に回復できず、筋肉の緊張が解消されにくくなります。これにより、顎関節やその周囲の筋肉が過度に疲労し、顎関節症が悪化することがあります。

外傷

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外傷の問題 

顎関節症の原因の一つとして、顎やその周囲に対する外傷があります。外傷による顎関節症は、直接的な物理的衝撃が顎関節に損傷を与えることで発症します。この外傷は、事故やスポーツでの打撃、転倒、さらには激しい口の開閉によって引き起こされることがあります。

例えば、交通事故でシートベルトやエアバッグに顔や顎を強打したり、スポーツ中に顔面や顎に衝撃を受ける場合、顎の関節やその周囲の組織にダメージが生じる可能性があります。顎関節は非常に繊細な構造で、関節円板(関節内のクッションのような軟骨組織)や靭帯、筋肉、さらには骨自体が傷つくことがあります。これにより、関節の動きが正常に行えなくなり、痛みや可動域の制限といった顎関節症の症状が現れます。

また、転倒して顎を床や硬い物にぶつけた場合も、顎関節が直接損傷を受けることがあります。このような直接的な衝撃によって、顎関節内の構造に炎症が起こり、関節が腫れたり、動きが不安定になったりすることがあります。顎関節内のクッションである関節円板がずれることもあり、これが「カクカク」といった音を伴う動作不全や痛みの原因となることがあります。

また、激しく大きな口を開ける行為(あくび、歯科治療中の長時間の口の開閉など)も、外傷の一種と見なされることがあります。特に顎関節や筋肉が柔軟性を欠いている場合、急に大きな力がかかると、関節や筋肉に負担がかかり、顎関節症が発症するリスクが高まります。このようなケースでは、関節自体に目に見える損傷がなくても、顎関節やその周囲の筋肉が過度に緊張して痛みやこわばりを感じることがあります。

外傷による顎関節症は、急性の痛みとともに発症することが多く、適切に対処しないと、慢性的な問題に発展することがあります。損傷を受けた組織が完全に回復しないまま放置されると、関節の機能が正常に戻らず、持続的な痛みや不快感が残ることがあります。そのため、外傷による顎関節症が疑われる場合は、早期に専門医の診断と治療を受けることが重要です。

顎の過度な使用

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顎の過度な使用の問題

顎関節症の原因の一つとして、顎の過度な使用が挙げられます。顎の関節や筋肉は、日常生活で繰り返し使用される部位であり、特に食べる、話す、あくびをするなど、口を動かす行為には欠かせません。しかし、これらの動作を過度に行うと、顎の関節や筋肉に過剰な負担がかかり、炎症や疲労が蓄積され、顎関節症を引き起こすことがあります。

例えば、ガムを長時間噛んだり、硬い食べ物(ナッツ、フランスパン、ステーキなど)を頻繁に食べたりする場合、顎の筋肉は通常以上の力を使って働かざるを得なくなります。これが長期間続くと、顎関節やその周囲の筋肉が過度に疲労し、痛みや緊張が生じます。特に、硬い食べ物を噛む際には、顎の筋肉が強く収縮し、関節に強い圧力がかかるため、顎関節症のリスクが高まります。

さらに、職業的に顎を過剰に使用する人も顎関節症のリスクが高くなります。例えば、歌手や演劇の役者、さらにはスピーチやプレゼンテーションを頻繁に行う仕事に従事する人々は、口を大きく開けて話すことや発声を繰り返すため、顎の筋肉が過剰に働く傾向があります。このような場合、顎の筋肉に慢性的な負担がかかり、炎症や緊張が蓄積され、顎関節に負担をかけることになります。

また、過度なあくびや大笑い、さらには歯科治療で長時間口を開けたままの状態が続くことも、顎の過度な使用につながります。これらの動作は顎関節に急激に大きな負担をかけることがあり、顎の筋肉や靭帯が引っ張られて痛みやこわばりを引き起こすことがあります。特に、顎関節がもともと弱い人や関節の柔軟性が低下している人にとっては、こうした過度な使用が顎関節症の発症を促す原因となり得ます。

過度な使用が原因で起こる顎関節症は、最初は軽い違和感や疲労感として現れることが多いですが、放置していると痛みが慢性化し、口を開け閉めするたびに痛みや不快感が伴うようになります。顎を使いすぎた結果、顎関節自体が摩耗し、関節円板の位置がずれたり、関節炎を引き起こすこともあります。

姿勢の悪さ

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姿勢の悪さの問題 

顎関節症の原因として、姿勢の悪さは大きく関与しています。特に現代社会では、デスクワークやスマートフォンの使用が増加し、悪い姿勢で長時間過ごすことが顎や首、肩に大きな負担をかけ、結果として顎関節症を引き起こすことがあります。

悪い姿勢の典型的な例として、首が前に出て肩が丸まった「猫背」の状態が挙げられます。この姿勢は、顎の位置にも大きな影響を与えます。正常な姿勢では、首と肩が一直線になり、顎は自然な位置に保たれていますが、猫背の姿勢では、頭と首が前方に突き出るため、顎が不自然な位置に引っ張られます。この状態では、顎の関節や周囲の筋肉に余分な力がかかり、顎関節が正常に機能しなくなります。結果として、顎に痛みやこわばり、違和感が生じ、顎関節症の症状が現れるのです。

さらに、デスクワークでの長時間の座り作業やスマートフォンの頻繁な使用も、姿勢の悪化につながります。特に、下を向いてスマートフォンを操作する姿勢では、首に過度な負担がかかり、その影響が顎にまで及びます。首や肩の筋肉が緊張すると、顎を動かすための筋肉も影響を受け、顎関節が歪んだり、筋肉が過度に緊張することがあります。これが慢性的になると、顎関節や筋肉が疲労し、顎関節症の発症リスクが高まります。

また、睡眠時の姿勢も顎関節症に関与することがあります。横向きやうつ伏せで寝る習慣がある人は、寝ている間に顎に不自然な圧力がかかることがあります。これにより、顎関節が長時間にわたって負荷を受け、関節に炎症が起こったり、朝起きたときに顎が痛んだりすることがあります。特に、枕の高さや硬さが合っていない場合、首や肩、顎の筋肉に負担がかかりやすくなります。

姿勢の悪さによる顎関節症は、時間をかけて進行することが多く、最初は首や肩のこりとして現れることがあります。しかし、そのこりが続くと、顎にも影響を及ぼし、口を開ける際の痛みや「カクカク」といった音がするなどの症状が出始めます。特に、デスクワークやスマートフォンの使用が多い現代人にとって、姿勢の悪さが原因の顎関節症は増加傾向にあります。

関節疾患

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関節疾患の問題 

顎関節症の原因の一つとして、顎の関節そのものに関連する関節疾患があります。顎関節は「顎関節円板」と呼ばれる軟骨と、「下顎骨」と「側頭骨」によって構成されており、この構造が正常に機能することで、スムーズな口の開閉や噛む動作が可能になります。しかし、関節疾患がある場合、この機能が正常に働かず、顎関節症の症状が引き起こされます。

最も一般的な関節疾患は、顎関節の変形性関節症(顎関節の変形性疾患)です。変形性関節症は、関節の軟骨が摩耗し、骨同士が直接擦れ合う状態になることを指します。顎関節においても、軟骨が徐々にすり減ることで、顎の動きが制限され、痛みや炎症が生じます。これは、加齢とともに進行することが多く、特に中高年の人々に見られます。摩耗した軟骨が回復しないため、進行すると口を開けることが困難になる、または顎に強い痛みを伴うことがあります。

次に、顎関節円板の異常があります。顎関節円板は、顎の動きを滑らかにするためにクッションのような役割を果たしますが、この円板が正常な位置からずれる「顎関節円板の脱臼」や「円板の変位」が起こることがあります。この場合、口を開けたり噛んだりする際に「カクカク」という音がしたり、口の開閉がスムーズに行えなくなります。円板の脱臼が頻発すると、関節に炎症が起きて痛みが生じたり、最悪の場合、口を完全に開けられなくなる状態になることもあります。

また、顎関節の関節炎も原因となります。関節炎は、顎関節内の組織に炎症が発生する状態で、これは関節リウマチや感染症、外傷によって引き起こされることがあります。特に、リウマチ性関節炎は免疫系が関節の組織を攻撃する自己免疫疾患であり、顎関節にも影響を及ぼします。関節炎が顎関節に発生すると、関節が腫れて痛みが伴い、口を開ける際に不快感や制限が生じます。これにより、顎関節の機能が著しく低下し、日常的な食事や会話にも支障をきたすことがあります。

さらに、顎関節の関節内障害と呼ばれる状態も関節疾患の一種です。これは、顎関節内の構造、特に関節円板や関節包(関節を包む膜)が損傷を受けて、正常に機能しなくなる状態です。この障害は、突然の口の動きや外傷、あるいは長年の摩耗によって引き起こされることがあり、顎の痛みやこわばりを伴います。また、開閉運動が制限され、時には「口を大きく開けられない」「噛み合わせが不安定」といった症状が見られることもあります。

まとめ

このように、顎関節症とは様々な要因で引き起こされる疾患です。
重症化する前に、歯科医院などの専門機関での診察を受けましょう。
顎関節症についてはこちら→https://www.wakoshi-dental.com/service/tmd/