歯の着色は、口元の美しさに大きな影響を与える可能性があるため、改善したいと思うことが多いですね。歯の着色はセルフケアで対処できる場合もありますが、専門による施術が必要なケースもあります。この記事では、歯の着色の原因、取り除く方法、そして予防策について説明します。

なぜ歯が黄ばむのか

人間の歯は本来、真っ白ではなく、微かながら黄色みを帯びています。これは、歯の表面を覆うエナメル質が透明であるため、その下にある黄色い象牙質が透けて見えるためです。しかし、歯の黄ばみがより目立つ場合、以下の5つの要因が考えられます。

食べ物・飲み物・たばこによる着色

歯の黄ばみの主要な原因は、ステインまたは着色汚れとして知られています。この現象は、色素が豊富に含まれた食べ物や飲み物を日常的に摂取することによって引き起こされます。具体的には、コーヒーや紅茶、赤ワインなどの頻繁な摂取が、歯の表面に着色性の汚れを付着させ、黄ばみを引き起こす原因となります。また、タバコの煙に含まれるヤニも同様に歯の黄ばみを促進します。現在歯の黄ばみに悩んでいる場合、上記の食習慣や喫煙習慣に注意が必要です。ステインは通常、歯磨きだけでは十分に取り除けず、プロのクリーニングが必要です。
黄ばみやすい食べ物に関しては、こちらの記事にまとめています。
https://www.wakoshi-dental.com/blog/2463/

歯の磨き残しによる着色

歯の黄ばみは、歯の表面にプラーク（歯垢）や歯石がたまることで引き起こされることがあります。プラークは最初は乳白色ですが、食品の色素が浸透すると黄色く変色します。同様に、歯石も黄色く変わります。プラークは歯の表面に付着した細菌の集まりで、歯ブラシを使ってブラッシングすることで比較的容易に取り除けます。一方、歯石は硬い石のような物質であり、専門の歯科医院でしか取り除くことができません。

加齢現象による着色

年齢を重ねると、歯の表面にあるエナメル質が摩耗し、薄くなる傾向があります。エナメル質は透明で白い部分であり、歯の内部の象牙質が透けて見えることが増えるため、歯が黄色く見えるようになります。また、食事や咀嚼による歯の摩擦は、時間とともにエナメル質を削ることがあります。これにより、歯の表面が粗くなり、色素が付着しやすくなります。

【番外】薬の影響による変色（テトラサイクリン歯）

テトラサイクリン歯（Tetracycline teeth）とは、抗生物質であるテトラサイクリン（Tetracycline）を妊娠中や幼少期に摂取したことによって、永久歯が変色する状態を指します。テトラサイクリンは一般的に細菌感染症の治療に使用される抗生物質であり、歯科問題とは無関係の病気にも処方されることがあります。

テトラサイクリンが妊娠中や幼少期に摂取されると、永久歯のエナメル質に影響を与え、特に光に対して敏感になり、変色しやすくなります。この変色は一般的に黄色、灰色、茶色などの色合いを持ち、歯の表面に広がることがあります。この変色は永久歯が生える時期にテトラサイクリンが摂取された場合に発生し、乳歯には影響を与えません。

【番外】神経の失活による変色

歯の神経は血液供給を受けており、栄養と酸素を供給する役割を果たしています。神経が失活すると、血液供給が途絶え、歯の内部に栄養と酸素が行き届かなくなります。これにより、歯の内部組織が壊死し、変色が生じる可能性が高まります。

歯の黄ばみの改善方法

クリーニングを受ける

歯垢や歯石、ステインといった要因によって引き起こされる黄ばみは、歯科医院での専門的な処置により問題を解決できます。この処置は一般的にPMTC（Professional Mechanical Tooth Cleaning）とも呼ばれ、電動ブラシと専用の研磨ペーストを使用して、歯を一本一本丁寧に清掃します。歯の表面に付着した着色汚れに対しても、効果的に取り除くことができます。

歯石に対しては、別の処置であるスケーリングが行われます。スケーリングは歯の表面や歯茎の周りに堆積した硬い歯石を専門的な歯科器具を使用して取り除くプロセスです。

総括すると、歯の黄ばみや汚れの原因として歯垢、歯石、ステインが挙げられ、歯科医院でのクリーニング処置により、これらの問題を効率的に取り除くことができます。PMTCは歯の表面の着色汚れに対して有効であり、歯石はスケーリングによって取り除かれます。

また、当医院では「クリアクリーニング」というパウダークリーニングもご用意があり、大変人気のメニュです。クリアクリーニングとは、専用のパウダーを使った機械で歯の着色汚れを歯の表面を傷つけることなくしっかりきれいにできるので汚れの再付着をしにくくしてくれます。
当院のインスタグラムに、実際にきれいになった患者様のお写真を掲載しておりますので、ぜひご覧ください。https://www.instagram.com/wakoshi.dental.office/

ホワイトニングを受ける

歯の黄ばみが歯の表面だけでなく内部にまで広がっている場合、クリーニングやスケーリングなどの従来の清掃処置では改善が難しいことがあります。このような状況において、効果的なアプローチはホワイトニングです。ホワイトニングは、過酸化水素や過酸化尿素などの薬剤を使用して、歯の内部に蓄積した汚れを化学的に分解・取り除く方法です。

ホワイトニングの大きな利点は、歯を削る必要がなく、歯質にダメージを与えることなく歯の色を改善できる点です。したがって、ホワイトニングは繰り返し行うことができ、定期的なタッチアップで効果を持続させたり、新たな着色汚れを取り除いたりするのに適しています。

要するに、ホワイトニングは歯の内部に蓄積した汚れに対して化学的なアプローチを採用し、歯の美白を実現する効果的で安全な方法です。そのため、歯の黄ばみに悩んでいる人にとって、魅力的な選択肢となります。

当医院のホワイトニングは、スーパーポリリンホワイトニングと言って、「短鎖分割ポリリン酸」という成分が添加されたホワイトニングを取り扱っております。
簡単に説明すると、着色の除去・再付着防止効果と歯質を保護する効果があるので、痛みが少なく、より色持ちがいいホワイトニングです。
このホワイトニングは、認定院しかお取り扱いがないため、ご希望の方は是非当医院へお越しください。
詳しくはこちらをご覧ください。https://www.wakoshi-dental.com/service/whitening/

セラミック治療を受ける

歯の黄ばみがホワイトニングやクリーニングでは改善しづらい場合、セラミック治療が適切な選択肢となります。通常、この治療は特に薬物の影響、歯の損傷、先天的な疾患に起因する歯の黄ばみに対して効果的です。これらのケースでは、通常のクリーニングやホワイトニング処置では黄ばみを改善することが難しいからです。

セラミック治療は、歯冠（クラウン）と呼ばれるカスタムメイドの被せ物を歯に装着する治療法です。ただし、歯を削る必要があるため、歯をできるだけ削りたくない方や歯にダメージを与えたくない方にはおすすめできない場合もあります。しかし、歯の黄ばみが重度で、美しい笑顔を取り戻したいという希望がある場合、セラミック治療は非常に有用です。セラミック治療は、歯の色だけでなく、形状やサイズ、歯の配置の微調整も行えるため、全体的な美容的な効果を得ることができます。

セルフケアの注意点

研磨剤入り歯磨き粉は極力避ける

自分で歯の黄ばみを除去しようとする際、多くの人が研磨剤が多く含まれた歯磨き粉を選んでしまいがちです。特に「ホワイトニング歯磨き粉」と呼ばれる製品には、ほぼ確実に研磨剤が配合されていますので、ご注意が必要です。歯の表面に付着した汚れを取り除くのに研磨剤は有効ですが、素人が使うと歯に損傷を与える危険性があります。

歯のエナメル質は非常に硬いですが、同時にデリケートな部分も存在します。研磨剤が含まれた歯磨き粉を使って強くブラッシングすると、目に見えない微細な傷が歯に付く可能性があります。時には歯が摩耗し、冷たい食べ物や飲み物に対する知覚過敏が発生することもあります。そのため、自分で歯の黄ばみを取り除く際には、研磨剤が含まれていない歯磨き粉を選ぶことが大切です。　　

当医院では、ポリリン酸配合の歯磨き粉を推奨しています。
安全性が高く、着色を除去・付着防止してくれる成分です。
当医院の物販にてお取り扱いがございますので、詳しくはこちらのページをご覧ください。
https://www.wakoshi-dental.com/blog/2371/

オーラルケア用品以外使わない

インターネット上には、口腔ケアに関する便利なテクニックが多数共有されており、歯の黄ばみを改善する方法についても誘惑される情報が存在します。しかし、注意が必要です。歯科専門の製品以外を使用する方法は避けるべきです。例えば、重曹を使った歯の黄ばみの改善方法など、歯や歯茎に潜在的な危険をもたらすことがあり、専門家からはお勧めされません。歯や歯茎は非常にデリケートな組織であるため、歯の黄ばみを自己処理する場合でも、正しい方法で行うことが肝要です。

まとめ

歯の黄ばみを軽減するためには、適切な口腔ケアと定期的な歯科検診が重要です。歯科医によるクリーニングやホワイトニングなどの処置を受けることで、歯の白さを保つのに役立ちます。また、歯の健康を維持するためにバランスの取れた食事と禁煙も大切です。