よくあるご質問

Q & A

歯科(虫歯・歯周病)

冷たいものを飲むとしみるのは虫歯が原因ですか?

虫歯が原因の場合もありますが、知覚過敏の可能性も考えられます。虫歯の場合は、ある程度進行するまで症状が出ないことも多く、痛みが出るころには歯の神経まで進行しているケースもありますので注意が必要です。一方、知覚過敏は、歯茎か下がったり歯がすり減って、エナメル質下層の象牙質が剥き出しになることで生じます。この場合には、しみる部位に知覚過敏を抑えるお薬を塗ったり、プラスチック(レジン)などで患部を覆うといった対応で様子をみることが多いです。知覚過敏は、歯磨きの際の過度なブラッシングも要因の一つと考えられているため、適切なブラッシング圧や歯ブラシの当て方を身につけることも大切です。



虫歯でも削らないことはありますか?

はい。虫歯(う蝕)は、進行が速い茶褐色の急性う蝕と、進行が遅い黒色の慢性う蝕に分けられます。後者の慢性う蝕の場合は、虫歯の原因となる細菌の活動はほとんど停止していることが多いので、審美的に問題がない箇所であれば、削らないで経過観察をすることがあります。また、エナメル質表面の白濁も初期脱灰(※)といって、いわゆる初期虫歯という状態ですが、この段階ではまだ削らずに経過観察となります。歯の表面に穴(実質欠損)が認められるようになると、経過観察をやめて虫歯治療を開始することが多いです。(※脱灰:歯の表面からカルシウムやリン酸が溶けだした状態)



歯ブラシ以外の口腔ケアは必要ですか?

はい。歯ブラシによるブラッシングは虫歯や歯周病予防の基本ですが、歯ブラシ単独によるプラーク(細菌の塊)の除去率は60%程度との報告もあります。そのため、デンタルフロスや歯間ブラシ等の口腔ケア用品を、歯ブラシと併用していただくことも非常に重要です。デンタルフロスは、ブラシが届かないような歯と歯の間の食べかすやプラークを除去するのに適していますし、歯間ブラシも同様に歯と歯の間、特に歯ぐきが下がって隙間が少し広くなっている部位などで有効です。個々の口腔内の状態に合わせて、複数の口腔ケア用品を併用していただくことにより、より効果的に口腔内の健康を維持することが可能となります。



痛くなくても虫歯ができていることはあるのですか?

痛みがなくても虫歯が進行していることがあります。歯は外側からエナメル質、象牙質、歯髄(神経)という構造で成り立っています。虫歯がエナメル質内にとどまっている場合には、痛みを感じることはありませんが、象牙質まで進行すると、しみや痛みを感じる可能性が高くなります。象牙質には歯髄(神経)と通じる象牙細管という構造があり、象牙質に加わる刺激が細管を通じて歯髄(神経)に伝わると、私たちはそれを痛みとして認識するためです。そのため、虫歯の初期段階では痛みを伴わず進行し、痛みを感じる頃には虫歯がすでに象牙質まで進行していることが多いです。



フッ素にはどんな効果がありますか?

フッ素には主に以下の3つ作用があり、虫歯の発生と進行を防ぐ効果を期待できます。

①フルオロアパタイト生成による歯質の強化、②エナメル質の再石灰化の促進、③虫歯の原因菌の活動抑制(酸産生能の低下)。

虫歯予防に役立つ成分として歯磨き粉や洗口剤などにも配合されており、日本でも広く普及しています。また歯科医院では、フッ化物塗布といって高濃度のフッ素を歯面に直接塗布することで、小さなお子さんや虫歯のリスクの高い方の虫歯予防をおこなうこともあります。日常的な口腔ケアに効果的にフッ素を取り入れることで、虫歯のリスクを軽減することが可能です。



プラスチックの詰め物はずっと使えるものですか?

保険診療で使用されるプラスチック(レジン)の寿命は、一般的に2~3年です。天然の歯質やその他の歯科材料と比べて、歯科用レジンの物性は低く、吸水や摩耗により経年劣化が生じやすいです。そのため、劣化部やそれに伴って生じた歯質との隙間から、着色や欠け、脱離が生じ、う蝕の原因細菌がそこで繁殖すると、内部で2次性の虫歯が進行することがあります。歯科用レジンは歯質を必要以上に削ることなく、短時間での治療が可能というメリットもありますが、素材の特性上、劣化しやすいという欠点があります。定期的な歯科検診で必要に応じて再修復や補修修復を行うなど、適切な管理を継続することが大切です。



虫歯の治療にはどのような方法がありますか?

虫歯の進行する範囲によって治療方針が異なります。虫歯の範囲が比較的小さい場合には、歯科用プラスチック(直接法)やインレー等の部分的な歯の詰め物、虫歯が比較的大きく歯質の強度が低下している場合にはクラウンといって歯全体を覆う被せ物で対応することが一般的です。虫歯が歯の内部の神経まで進行している場合には、歯の神経の治療(根管治療)が必要になります。虫歯の進行範囲や程度によっては、歯の保存が難しく、歯を抜くこと(抜歯)を提案させていただく場合もあります。抜歯後の欠損部の治療方法としては、ブリッジやインプラント、入れ歯などの選択肢があります。



虫歯はどのようにして生じますか?

通常、私たちの口腔内にはミュータンス菌などの虫歯の病原菌が数多く生息しています。これらの細菌は、我々が摂取する食べ物や飲み物の糖分を栄養に増殖して歯の表面にプラーク(細菌の塊)を形成し、代謝物として酸を放出しています。この細菌たちが産生する酸に長時間さらされることで歯の表面が溶けていき、いわゆる虫歯が進行することになります。プラークの形成は飲食後すぐはじまるといわれていますので、食べたらすぐ磨くことが虫歯予防の基本といえます。また、唾液には口腔内の汚れや細菌が作り出す酸を中和する役割があるため、よく噛んで食事をすることも虫歯予防に有効です。



虫歯の予防方法として有効なのは?

虫歯の予防方法として重要なのは、虫歯の原因菌・食習慣・健康な歯の維持(口腔内)に対するアプローチを図ることです。

具体的には、①原因菌の除去:食後や就寝前には、歯ブラシやデンタルフロス等の口腔ケア用品を使用して、食べかすやプラークを除去する、②虫歯になりにくい食習慣:糖分や酸を多く含む食品や飲料の頻回摂取(ダラダラ食べ)を控え、バランスの良い食事を心がける、③歯質や口腔環境の強化:フッ化物の利用や定期的な歯科検診で適切な予防処置を受ける、といったことが基本となります。これらを習慣化することにより、より虫歯になりにくい口内環境を維持していくことが可能となるでしょう。



虫歯以外で歯が溶けることがあるのですか?

はい。虫歯以外の原因により、歯の表面が溶けて歯の損傷が起きることがあります。酸蝕症(さんしょくしょう)といって、酸性飲料や酸性食品の頻回摂取、逆流性食道炎(GERD)や嘔吐による胃酸の逆流、口腔内の過度な乾燥(唾液分泌量が減って酸緩衝能の低下します)などが原因となって生じる疾患です。酸蝕症が生じると、歯の先端が透き通ってみえたり、エナメル質の下の象牙質が露出して歯の表面が黄色く凹んでみえたり、冷たいものや甘いものがしみるといった知覚過敏症状が現れることがあります。酸蝕症が疑われる場合には、早めの受診と適切な対応が必要です。



歯周病とはどんな病気ですか?

歯周病は、歯周病原菌が歯ぐきや歯を支える骨などの歯周組織に感染することで生じる炎症性疾患で、歯を失う原因の約40%はこの歯周病に起因すると言われています。歯周病の初期段階は歯肉炎といって、炎症が歯ぐきのみに限局している状態ですが、炎症が進行すると、歯を支える歯槽骨にまで炎症が波及して歯槽骨が溶け始め、それによって歯が揺れてきたり、最終的には歯を抜かなければならない状態にまで進行することがあります。歯周病は進行すると自然治癒することはないため、早い段階から適切な処置によって病態の進行を落ち着かせたり、改善することが重要となります。



歯周病を予防するためにできることはありますか?

日々の歯磨きでプラークコントロールを徹底することが何よりも重要ですが、歯ブラシで届かない歯ぐきの内側に溜まったプラークや歯石などの汚れに関しては、歯科医院での定期的なクリーニングで除去することが大切です。また、喫煙習慣や睡眠不足・栄養不足、ストレス等の免疫力低下なども歯周病のリスクファクターとなり、歯周病の発症や進行に寄与することが知られています。特に喫煙習慣のある方の場合は、歯周病の症状がマスキングされる(ニコチンの作用で炎症の程度が分かりにくくなる)ことが多いため、注意が必要です。喫煙を控え、バランスの良い食事や十分な睡眠を心がけるといいでしょう。



歯周病は全身に影響があるって本当ですか?

はい。歯周病のコントロールが不良の方は糖尿病に罹患する確率が5倍、心臓病(動脈硬化、心筋梗塞、狭心症)の発症率が2.8倍、高くなるという報告があります。また、早産のリスクや低体重児が生まれる可能性が高まるといった報告もあります。その他には、脳血管疾患、がん、肺炎、関節リウマチ、慢性腎臓病、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルツハイマー病など、様々な疾患との関連性も指摘されています。歯周病菌や歯周病によって生じる炎症物質が、血流にのって持続的に全身をめぐることで、身体に様々な影響を及ぼすことが解明されつつあります。



歯周病で骨が溶けてしまった場合は、骨を再生することはできるのでしょうか?

残っている周囲の骨の形態や量にもよりますが、人工骨などの再生材料を使用することで一部を再生させることは可能です(歯周組織再生療法)。しかしながら、このような歯周治療の成功率は、患者さまの年齢や全身状態、口腔内環境、喫煙歴その他の要因によっても左右されるため、思うような結果が得られない可能性もあります。歯周外科治療は、一般的な歯科治療と同様に、局所麻酔下での対応となりますので、日帰りの小手術をイメージしていただければ差支えありません。精密な検査や診断を行い、患者さま一人ひとりに適した治療方法を提案させていただきます。



生えかけの親知らずの周りの歯ぐきが時々痛みます。このまま放置しても問題ありませんか?

智歯周囲炎といって、親知らず(智歯)の周囲の歯ぐきに炎症が起きている可能性があります。これは歯茎から親知らずの一部だけが顔を出している状態(半埋伏智歯といいます)の方によくみられる症状です。歯ぐきに覆われて清掃が不十分となった箇所に汚れがたまり、歯ぐきが炎症を起こして腫れや出血、疼痛といった症状を引き起こします。さらに悪化すると、炎症が周りの顎骨にまで波及してしまうこともあります。半埋伏状態の親知らずは、同じく清掃不良が原因で虫歯になりやすいといった特徴もありますので、予防的に抜歯を検討するのもよいでしょう。



歯周病に気づくサインはありますか?

歯磨きやフロスを使用した際に、歯ぐきから出血が起きたり、口臭が気になるといった症状は歯周病の初期症状の可能性があります。また、歯ぐきが赤く腫れてきたり、歯ぐきが下がってきたりといった症状も歯周病の初期症状として現れることがあります。これらの状態を放置してしまうと、歯周病が気づかないうちに進行して、歯がぐらついてきたり、最終的には歯を抜かなければならなくなったりと、より深刻な事態に発展する可能性があります。歯周病は成人の80%が罹患していると言われるほど身近な病気でもあります。初期の段階から適切な治療を受けることが非常に重要です。



歯周病と口臭には関連がありますか?

はい。歯周病になると口臭が強くなることがあります。歯周病菌が放出する臭気物質や、歯ぐきの炎症・出血、歯と歯茎の深いポケットにたまった汚れの腐敗などがその原因です。歯周病菌は、食べかすなどに含まれるタンパク質を分解する過程で、メチルメルカプタン(CH₃SH )と呼ばれる強烈な臭いを持つガスを生成します。そしてこの臭気物質が口腔内に溜まることで、口臭が発生します。口臭の強さは歯周病の重症度に比例すると言われていますので、歯周病予防や歯周病治療などの適切な対策を講じることが、口臭予防の第一歩と言えるでしょう。



歯磨き中に歯ぐきから出血するのはなぜですか?

原因として最も多いものは、歯肉炎や歯周炎による歯肉の炎症に起因するものです。炎症が起きて腫れた歯ぐきの組織は容易に破壊されて出血しやすくなっていることから、通常では問題のない程度の歯ブラシの刺激でも、出血が生じることがあります。一方、歯ぐきが健康でも、歯ブラシのブラッシング圧が強すぎる場合には、歯ブラシの毛先で歯ぐきが傷ついて、出血が生じることがあります。この他に、ホルモンバランスの変化や栄養不足、全身的な健康状態によっても出血が起きやすくなる場合があります。歯ぐきの出血を繰り返したり、痛みが次第に強くなる場合には、そのまま放置せず、歯科医院を受診していただくことをお勧めします。



歯ぐきが下がってきた気がします。何が原因でしょうか?

歯茎が下がる(歯肉退縮)の原因には、歯周病、過度なブラッシング、歯ぎしり、不正咬合、適合の悪い修復物、矯正治療など、数多くの要因が考えられます。加齢によっても歯茎は徐々に下がっていきますが、これらの要因と組み合わさることで歯肉の退縮はより進行しやすくなります。歯ぐきが下がると、審美的な問題が生じるだけでなく、本来は歯ぐきに隠れている部分が露出して知覚過敏症状が起きることもあります。また、食べ物が詰まりやすくなったり、根面齲蝕といって歯の根元に虫歯ができるリスクも高まります。一度退縮した歯ぐきは自然に元に戻ることはないため、原因を取り除いて、進行をいかに抑えるかが大切になります。



歯ぐきのポケットの検査は何を調べているのですか?

歯と歯ぐきの間のポケットの深さを測定することで、歯周病の進行の程度を調べたり、出血の有無から炎症や歯周病の活動性などを評価します。また、歯周治療後の効果の判定・再評価にも活用しています。健康的な歯ぐきのポケットの深さは、0.5~2mm程度です。軽度の歯周病では3~4mm、中程度の歯周病では4~6mm、重度の歯周病では6mm~と、歯周病の進行と共にポケットも徐々に深くなっていきます。実際の歯周病の評価は、これらの検査結果に加えて、X線での骨吸収の程度や歯の動揺度などを考慮して判定し、治療方針を決定することになります。