よくある質問|小児矯正

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小児矯正

小児矯正(こどもの矯正)とは何ですか?

小児矯正とは、こどもの顎骨成長期に行う歯列矯正のことです。成長中のこどもの顎の発育を利用して、早期に歯並びや顎骨の成長発育をコントロールし、将来的な咬み合わせの問題を予防します。特に、成長中の顎顔面の骨を正しい位置に誘導することで、正常な発育を促すということは極めて重要な目的として考えられています。これにより、口呼吸から自然な鼻呼吸を促すことができ、脳への安定した酸素供給や全身の成長発達にも有利に働くことが知られています。小児の歯並びは親からの遺伝性のものもありますが、指しゃぶり、口呼吸、低位舌などの口腔習癖も大きく影響するので、歯科医師だけではなく、家族の理解とサポートが必要です。



小児矯正(こどもの矯正)を考えるのは、いつからが最適でしょうか?

年齢的には6、7歳頃がいいと思います。下の前歯が4本、上の前歯が2本、永久歯が生えてきたタイミングが最も望ましいです。2番目の永久歯が萌出してから3番目の八重歯(犬歯)が萌出するまでが顎骨成長のゴールデンタイムと言われてるので、その時期に重なるように顎骨成長をコントロールできる矯正装置を始めることが重要です。また、上顎の顎骨成長は10歳近くになってくると、成長発達の90%が完成してしまっています。一方、下顎の顎骨成長は男子:13-15歳、女子:11-13歳が成長のピークになっており、その後も多少成長するものの、反対咬合(受け口)以外では目を見張るほどの変化はありません。



小児矯正(こどもの矯正)は痛いですか?

小児矯正装置は、成人矯正で扱う装置ほど強い矯正力がかかることはありません。しかしながら、顎骨を拡げたりする力が歯肉、歯、顎骨へと伝わるので、多少の圧迫感や痛みを訴えることはございます。よくあるトラブルだと、①着脱時に金属パーツを変形させたことで、それらが歯肉や口唇にあたって口内炎ができてしまう②装置の着用位置が浅いか、装置の着用時間が短く、顎骨が拡がっていない状態でさらにネジを回してしまう、などが多いです。ただ、正しい着脱方法を実践し、拡大ネジをご家庭で回す頻度やタイミングを工夫すれば、ほとんど痛みを感じることなく、快適に進めることができます。



小児矯正(こどもの矯正)の種類にはどんなものがありますか?簡単に教えてください。

取り外し式では、顎骨を側方へ拡大する拡大床、顎骨を正しい位置へ誘導し口腔周囲筋の是正を目指すバイオネーター、ムーシールドを使用します。また、固定式では、RPE(急速拡大装置)を上顎に使用することが多いです。また上顎の劣成長で前方への顎骨成長の促したい場合は、フェイスマスクという顎外装置を夜間就寝時に使用したり、その逆に上顎の過成長を抑制する場合であれば、プロトラクター(上顎牽引装置)を選択することもありますが、こちらは稀です。ある程度の顎骨コントロールができてきて、永久歯の前歯4本をきれいに並べる際には、前歯だけ部分的なブラケットとワイヤーを装着することもあります。



小児矯正(こどもの矯正)の装置をつけたまま食事や歯磨きはできますか?

固定式のものが装着されている場合はそのままで食事や歯磨きは行なっていただくことになりますが、ある程度通常の歯ブラシで清掃した後は、ワンタフトブラシなどを利用して歯間部や1歯単位での清掃を心がけてください。また、口蓋に装着されているRPE(急速拡大装置)のワイヤー部分には、繊維質のものが挟まっていることが多いため、就寝前の仕上げ磨きの際などに保護者の方にも確認していただきたいと思います。取り外し式のものを利用されている場合は、矯正装置は必ず取り外した上で食事や歯磨きを行うようにお願いします。そのまま食事をされた場合は、思わぬ装置の破損に繋がります。



小児矯正(こどもの矯正)をすると食べ物に制限はありますか?

固定式の小児矯正装置を使用する場合、成人と同様に食べ物に制限があります。硬い食べ物(フランスパン、せんべい、クラッカー)はワイヤーを破損させる可能性があるため避けるべきです。また、粘着性のある食べ物(ガム、キャラメル)は矯正器具に付着しやすく、清掃が難しいため控えましょう。さらに、かじりつく食べ物(りんご、ピーチ)は前歯のブラケットが脱離する恐れがあるため、細かく切ってから食べる工夫が必要です。酸性の飲食物(オレンジジュース、お酢)は歯の脱灰を招くため、取り外し式の装置を装着する前にお水でしっかり口をすすぐように指導してください。



小児矯正(こどもの矯正)をすると顔の形やバランスに影響はありますか?

影響はかなりあります。顎骨を正しい位置へ誘導し口腔周囲筋の是正を目指すことで歯列、骨組織だけではなく、軟組織にも当然効果が出てきますので、顔貌(正面、側方)の変化は期待ができます。例えば、下顎後退位による上顎前突(出っ歯)ならば、バイオネーターを使用することで下口唇の前方移動が期待できますし、反対咬合(受け口)ならば、フェイスマスクとムーシールドを使用することで上口唇の前方移動及び下口唇の後方移動が期待できます。どのケースでも3-6ヶ月程度の矯正装置の使用により、顔貌のバランスが徐々に改善してきていることが確認できます。



小児矯正(こどもの矯正)の通院期間はどれくらいですか?

一般的に、小児矯正で毎月1回の通院が必要となる期間は、1-1.5年程度と考えていただければと思います。その期間で、十分な顎骨の成長コントロールを行い、上下の前歯永久歯4本をきれいに並べるところまでは達成できることが多く、そこまでを小児矯正(1期治療)としてのゴールとしています。その後は、保定期間に入り、3ヶ月から6ヶ月間隔で通院していただき、犬歯以降の後ろの永久歯がきれいに並んでくるかを経過観察していきます。もし、それらの歯がきれいに並んでこなかったり、前歯もまた凸凹になってしまった場合は成人矯正(2期治療)をご提案していくこととなります。



小児矯正(こどもの矯正)をする際、親のサポートが必要ですか?

もちろん、保護者の方のサポートは不可欠です。例えば、拡大床のような小児矯正装置では、固定式ではお子さんの口腔内でネジを回したり、取り外し式では口腔外でネジを回す必要があります。ネジ回しはお子さん自身が管理できない大事な治療になりますから、保護者の方にもちゃんと治療内容を理解していただく必要があります。ただ、そのような内容は装置をお渡しする際に担当スタッフがしっかりとご説明し、一緒に練習をした上でお願いしますのでご安心ください。また、矯正装置の不具合についてもいち早く気づいてあげられるのは保護者の方なので、何かあれば医院までお気軽にご連絡ください。



小児矯正(1期矯正)はどこまでを治す治療でしょうか?

一般的には、顎の成長発育のコントロールをしつつ、永久歯の前歯4本を配列するところまでが小児矯正の主な目的(ゴール)となります。その後は保定観察をしていき、犬歯から大臼歯がうまく並べば小児矯正で矯正治療は終了しますが、並ばない場合は、その後は成人矯正を検討していただきます。ただ、小児矯正は歯並びだけを治すだけでなく、呼吸や口腔習癖の改善、顔貌の改善まで期待をすることができますので、将来の全身に関わる成長発育に大きく貢献することが知られています。そのため、仮に将来的に歯並びの問題で成人矯正(2期治療)が必要となったとしても、小児矯正を行ったことは決して無駄になることはありません。



小児矯正装置は取り外し式のものだと、1日あたり何時間使用すればいいでしょうか?

例えば、拡大床(顎を拡げる装置)であれば、最低8時間以上/日の使用時間が必要になります。当院の場合は、“学校から自宅へ帰ってきた時から翌日の朝まで”でトータル13時間程度の着用をお勧めしております。もちろん食事、お風呂、歯磨きの際は外していただいて構いません。学校には持っていく必要がありませんので人目を気にすることなく始めることができます。矯正装置によって使用時間やタイミングが異なりますので、担当スタッフからの説明をしっかり聞いていただき、配布資料をよく読んでご家庭で使用していただくようお願いいたします。



取り外し式のものだと使ってくれなさそうです。固定式のものは違和感がありますか?

いいえ、そこまで違和感を訴えるお子さんは少ない印象です。固定式のものは最初の1週間は話しにくい等は感じるとは思うのですが、お子さんとしては慣れてしまえば何もしなくてもいいので、むしろ取り外し式よりも楽に感じているようです。ただ、固定式のRPE(急速拡大装置)などの装置はお子さん自身での清掃が難しいので、繊維質なもの、固いもの、粘着質なものなどは避けるようにしたりと、食べ物を少し気を遣うことが増えるかもしれません。ただ、お子さん自身のやる気に左右されることなく確実な結果を期待できることは固定式の大きなメリットではあります。



小児矯正(こどもの矯正)後のリテーナーの役割は何ですか?

顎骨の歯列幅径と後続永久歯の萌出スペースの維持のためにリテーナーを使用します。リテーナーの種類としては、これまで使用してきた拡大床をそのまま使用する場合もあれば、上下の顎間関係を正しく誘導するための機能を有するマルチファミリーやムーシールドを使用することが多いです。もしリテーナーを使用しないと、隣の歯が倒れてきて永久歯が生えてくるスペースが足りなくなってしまったり、せっかくきれいにした前歯4本が再度凸凹になってしまったりすることがあります。せめて7番目の永久歯が生えそろうまでは油断しないようにリテーナーは使用しましょう。



小児矯正(1期治療)をしても成人矯正(2期治療)で抜歯をする可能性はありますか?

残念ながら、ございます。ただ、顎骨の大きさにアプローチができるのは小児矯正の時期だけですので、何もせずに顎が小さいまま大人になった場合と比べれば、凸凹の程度は軽度で済み、抜歯する歯の本数も少なくできる可能性があります。また、成人矯正の内容が楽なものになればなるほど、治療費も低くなります。そのため、将来的に成人矯正(2期治療)が必要となったとしても、小児矯正を行ったことは決して無駄にはなりませんので、お子さんも保護者の方も前向きに捉えていただければ幸いです。まずは適切なリテーナーをちゃんと使用しながら7番目の永久歯が生えそろうまでの保定期間は経過観察をしっかりしていきましょう。



上の子(兄、姉)に比べて、下の子(弟、妹)は、歯の生え替わりが遅いようです。一度受診した方がいいでしょうか?

下の子が6、7歳くらいであれば、一度受診された方がいいかと思います。特に、下の前歯が4本、上の前歯が2本、永久歯が生えてきたタイミングが最も望ましいです。上の子に比べ、生え替わりが全体的に遅いのであれば正直そこまで大きな心配はないのですが、“特定の歯が遅れている”、もしくは、“右側が全て生え変わっているけど、左側にずっと乳歯が残っていて揺れてもいない”などといった場合は要注意です。乳歯の歯根が片方だけ長かったり、永久歯の位置異常や先天的に欠損していることが原因であれば、乳歯の抜歯やトリミング(歯のサイズを調整する)などをすぐに行っていく必要があります。



歯科検診で生まれつき歯が足りないと言われているのですが、将来的にはどうしたらいいのでしょうか?

永久歯がもともと足りないということは、先天性の永久歯欠損を意味します。その場合は、そこに乳歯がそのまま残ることになり、他の永久歯の萌出スペースを奪い、全体的な歯並びに悪影響を及ぼします。できることならば、乳歯の抜歯もしくはトリミングを行い、他の永久歯の歯並びに影響がないようにコントロールしたのち、下顎骨の成長が完全に終了した20歳以降にインプラントを検討していただく方がいいです。もしくは、他の永久歯の歯並びを気にしないのであれば、乳歯が寿命を迎えるまではそのまま残し、その後インプラントを検討してもらってもいいかもしれません。



こどもの矯正(1期治療)をしなくても、大人の矯正(2期治療)をすれば結果は同じですか?

いいえ、結果は全く異なります。例えば、小児矯正をせずに顎が小さいまま大人になった場合は、将来的な叢生(でこぼこ)の量は大きく、抜歯を行い、歯の数を減らさないと歯並びが改善できない可能性が上がってしまいます。また、歯並びだけでなく、低位舌や口呼吸などの悪習癖をそのまま放置したことで、反対咬合(受け口)が酷くなってしまう場合もございます。結果として成人矯正の費用も上がってしまい、小児矯正との合計額をはるかに上回ってしまうこともあるので、悩むようでしたら小児矯正はひとまず受けておいた方が賢明かと思います。



15歳のこどもなのですが、小児矯正(こどもの矯正)の適応となりますか?

いいえ、成人矯正の適応となります。基本的には全ての永久歯が生え変わっている年齢では、小児矯正装置による顎骨の成長はほぼ期待することはできません。小児矯正を検討されるのでしたら、年齢的には6、7歳頃、下の前歯が4本、上の前歯が2本、永久歯が生えてきたタイミングで矯正相談を受けるべきでした。成人矯正では、歯の数や大きさを調整することでマウスピース矯正もしくはワイヤー矯正で改善することが一般的ですが、例外としてMSE装置や外科矯正の骨切り術を併用すれば、顎骨の大きさも治療が可能です。ただし、小児矯正よりかは治療の難易度と治療費は上がってしまいます。



小児矯正(こどもの矯正)の治療を担当する歯科医師の選び方には何を重視すればいいですか?

まず、小児矯正と成人矯正のどちらも治療対応ができる矯正医に相談をすべきです。かかりつけ医の一般歯科医師、小児歯科医では、矯正治療に関して知識と経験が乏しい場合がございます。そのような歯科医師に運悪くあたってしまうと、適切なタイミングで小児矯正をスタートできず、永久歯がうまく生えてこない状況に陥ってしまい、のちにひどく後悔することがあります。ただ、こどもとの円滑なコミュニケーションが長けている矯正医の方が望ましいので、矯正無料相談の際に、矯正医の先生の人柄やコミュニケーション能力を観察してみるのもいいでしょう。



こどもの矯正(1期治療)の費用は、大人の矯正(2期治療)よりも安いですか?

はい、小児矯正の契約金は、成人に比べ、半額程度で済むことが多いです。また、治療期間も1-1.5年程度で済むため、毎月の通院費も抑えることができます。また、仮にその後大人の矯正が必要になった場合も同じ医療機関においては多少の割引が受けられることが多いため、小児矯正が必要なお子さんには出来るだけ治療を受けさせてあげてほしいと思います。ただ、お子さん自身に「かっこよくなりたい、可愛くなりたい、ちゃんと治したい」という気持ちがないと治療はうまくいきませんので、まずはお子さんと一緒に矯正無料相談に来ていただいて、矯正医のお話を聞いてもらうことから始めていきましょう。