よくあるご質問

Q & A

ワイヤー矯正

“ワイヤー矯正は痛い”と聞いたのですが、本当ですか?

本当です。新しいワイヤーに交換した時や、ブラケットとワイヤーをリガチャーワイヤーもしくはモジュールでしっかり結紮した時などは、多少の圧迫感や痛みを感じることがあります。ただ、マウスピース矯正と比較して痛いかどうか、という問いであれば、イメージとしてはワイヤーの方が痛そうに思われるかもしれませんが、両者間での痛みの差はそれほど大きくないと考えていいと思います。マウスピース矯正でも、新しいマウスピースに交換する当日は歯が締めつけられ、押されている感覚が時に痛く感じることもありますし、マウスピースの着脱時にも多少の痛みを感じます。



ワイヤー矯正を始める前に、検診は必要ですか?

はい、「歯科検診」と「初期治療」が必要です。例えば、明らかなC2(象牙質に及ぶう蝕)以上の虫歯がある場合は、矯正治療前に確実に完治させておく必要があります。また、多くの歯石が付着している場合は歯石除去と歯周組織の消炎鎮静を図ります。それらの治療を行った結果、その歯があまり予後が良くない場合は、矯正治療の治療方針の変更を余儀なくされることもございます。ワイヤー矯正では、ブラケットやワイヤー類が口腔内にずっと入っている環境となり、治療前に比べ磨き残しやプラークが増え、虫歯や歯周病のリスクが上がりますので、矯正治療が始まってからも予防意識を高く保つ必要があります。



ワイヤー矯正を始める前に、どのような検査や診断が必要ですか?

矯正の検査では、顔貌写真、口腔内写真、口腔内スキャン、各種レントゲン撮影を受けていただきます。それらの情報を用いて、セファロ分析(骨格分析)を行い、頭頸部における計測点から骨格的な特徴を判断します。また、CTデータ(DICOM)と口腔内スキャンデータ(STL)をマッチングすることで治療シミュレーションを作成します。このシミュレーションを行うと、瞬時に叢生(でこぼこ)を改善するために必要な隙間の量がわかったり、顎骨内でどのように歯が動いていくのかがイメージしやすくなるため、複数の治療方法で比較検討する場合はおすすめです。



ワイヤー矯正の装置は目立ちやすいですか?目立たないものはありますか?

表側矯正(ラビアル矯正)は、ブラケットとワイヤーが正面から見えてしまいます。一方、裏側矯正(リンガル矯正)は裏側にそれらがつきますので正面からは一切見えません。そのため、一番目立たないワイヤー矯正は「裏側矯正」ですが、費用が高額になりますし、発音のしづらさが大きなデメリットとなります。当院では、表側矯正でも、できるだけ目立ちにくい色や素材へ変更したり、前歯にブラケットをつける期間を最小限にするなどの工夫をしていますので、お気軽にご相談ください。また見た目重視であれば、ワイヤー矯正よりもマウスピース矯正が望ましいので、ワイヤー矯正以外の選択肢も検討の余地があるでしょう。



ワイヤー矯正の通院間隔はどうですか?

ワイヤー矯正の通院間隔は、基本的には「月1回」です。それくらい経過すると、使用するゴムが劣化して矯正力が低下してきているからです。また、歯の動きに応じてワイヤーのサイズを太く、固いものへ変更していく必要があります。ただ、軽度な歯の動きやスピード矯正(寿谷法コルチコトミー法)であれば、2週間程度で次のステップへ進めることもできるので、治療を急ぎたい気持ちがある場合は「月2回」の受診となることもございます。ただ、プライベートやお仕事の関係で通院できない月があっても大きな問題はありません。装置が取れていなければ、歯が後戻り(歯が元の歯並びに戻ってしまう現象)するわけではないからです。



マウスピース矯正と比べたワイヤー矯正のメリットはなんですか?

マウスピース矯正は、表面積が小さい歯を掴みづらく矯正力をうまく伝えることができないですが、ワイヤー矯正では歯の大きさは関係なく、効果的に矯正力を伝えることができます。そのため、複雑な歯並びでも対応でき、同時に歯を動かすこともしやすいため、症例によっては治療スピードが速くなる可能性があります。また、マウスピース矯正をサボってしまいがちな協力度が低い方でも、ワイヤー矯正ならば確実に矯正治療を進めることができます。小臼歯抜歯計画の場合は、治療費としてもマウスピースと比べ、ワイヤー矯正の方が低価格で受けることができることもあります。



マウスピース矯正と比べたワイヤー矯正のデメリットはなんですか?

ブラケットとワイヤーによる違和感の大きさと見た目が大きなデメリットです。ブラケットとワイヤーは、マウスピース矯正で歯の表面に装着するアタッチメントやボタンなどの突起物に比べ、大きいものになるため、違和感もありますし、初めの1ヶ月は口内炎ができやすいかもしれません。ただこのような口内炎は徐々に改善し、新たにできにくくはなります。見た目に関しては、表側矯正であれば確実に目立ちますし、裏側矯正であれば目立たないもののマウスピース矯正より高額になり、さらに発音もしづらくなります。そのため、両者の選択は、治療における効率性と見た目を天秤にかけて慎重に判断が必要です。



ワイヤー矯正の装置が取れたり、壊れた場合、どうすればいいですか?

すぐに矯正治療を行なっている医院までご連絡ください。痛みがある場合、器具が外れたことで唇に当たって日常生活に大きな支障がある場合は、応急処置でご対応します。ただ、そこまでの支障がない場合は担当医の判断により、次回の矯正治療日にまとめてご対応することもございます。その判断が個人で異なりますので、まずは最初に医院までご相談ください。また、口腔外に脱離したものは極力医院まで持ってきていただくようお願いいたします。ご自身の判断で紛失または処分をしてしまいますと、その器材の材料代金を別途いただくことがございます。



ワイヤー矯正をすると言葉の発音に影響はありますか?

ワイヤー矯正をすると、表側矯正でも裏側矯正でも、言葉の発音に一時的な影響が出ることがあります。最も多いのは、ブラケットやワイヤーが舌や唇の動きを制限し、一部の音の発音が難しくなったり、口の中のそれらの異物感によって発音がぎこちなく感じることもあります。しかし、これらの影響はあくまでの一時的であり、時間とともに慣れてくることが多いです。また発音の練習を通じて改善される場合もあります。ただ、一般的には表側矯正の方が裏側矯正よりも影響は少ないと言われていますので、発音に影響が出るとお仕事に大きな支障が出る職種の方は、表側矯正を選択するといいでしょう。



ワイヤー矯正をすると食べ物に制限はありますか?

ワイヤー矯正の場合は、食べ物の制限があります。硬い食べ物(ナッツ、硬い飴、氷)はブラケットやワイヤーを破損もしくは変形させる可能性があるため避けた方がいいです。また、粘着性のある食べ物(キャラメル、ガム)は器具に付着しやすく、それを自身で清掃するのは難しいためできるだけ控えましょう。さらに、かじりつく食べ物(リンゴ、トウモロコシ)は前歯のブラケットが脱離することが多いので、かじりつかない工夫が必要です。酸性の食品や飲み物(炭酸飲料、レモンなど)は歯の脱灰を招くため、直後はお水で口をすすぎましょう。



ワイヤー矯正の装置をつけている間、どのようにして歯磨きをすればいいですか?特別な歯ブラシや道具は必要ですか?

通常の歯ブラシでいつも通りおおよそ磨いたあとが大事です。ワイヤーやゴムがかかっている部分の下には磨き残しやプラークが残っているため、歯間ブラシやフロスを使用して可能な限り細かい清掃を心がけましょう。特にお勧めしたい特別な歯ブラシとしては、「ワンタフトブラシ」という歯ブラシです。これは先端が細く、1歯単位を磨くことができ、歯間部にも入りやすいです。ワンタフトブラシは安価であり、毛先もすぐに広がってしまうこともなく、長期間使用することができます。また、そのほかの道具としては、水圧で洗浄できる洗浄器も活用すると、なお効率よく清掃ができると思います。



レジンプラケットは着色が目立ちますか?

個人差が大きいです。治療期間が1-2年以内であればそこまで着色が目立つことはないかと思いますが、2年を過ぎてくると、若干レジン部が黄色く変色するため気にされてしまう方もいらっしゃるかもしれません。ただ、レジンの経年劣化よりも、色の濃い飲食物を摂取する頻度がかなり大きな影響を与えるため、食生活を気をつけていただくことが最も重要かと思います。ブラケットの着色や欠けが気になる方は、セラミックブラケットをご検討ください。セラミックブラケットは強度があり変性を起こしにくい安定した材質のため、食生活および経年劣化による変色の影響はほとんどございません。



ワイヤーの色は選べますか?ホワイトワイヤーはありますか?

はい、もちろん選ぶことができます。ホワイトワイヤーは、シルバーワイヤーの上にホワイトコーティングされており、審美面では大きなメリットがあります。表側矯正では人気のあるワイヤーと言えるでしょう。しかし、時間が経つとホワイトコーティング部分が剥がれてくる可能性があり、その部分はシルバー色が露出することになります。また、コーティングの厚み分がワイヤーが太くなることになり、ブラケットとの摩擦が増え、歯が動きにくい傾向があります。一方、シルバーワイヤーはコーティングされていないので審美面では劣りますが、ブラケットとの摩擦が少ないため、引っ張っている歯は動きやすい特徴があります。



セルフライゲーションブラケットとはなんですか?

ワイヤーを固定するための結紮(リガチャーワイヤー、モジュール)が必要ないセラミックブラケットです。結紮がないため、摩擦が少なく弱い力でも歯の移動がしやすいのも特徴です。当院で扱っている代表的なセルフライゲーションブラケットとしては、ormcoのデーモンブラケット、バイオデントのempowerブラケットがございます。結紮時間が大幅に短縮されるため、1回あたりの調整時間も短く済み、患者さんがお口を開けている時間も短くなります。またリガチャーワイヤーなどが口唇に刺さるようなトラブルも起きないため、患者さんは痛みを感じる頻度が減ります。



インシグニアシステムとは何ですか?

当院がワイヤー矯正部門で扱っている「デジタル矯正システム」です。使用するブラケット、ワイヤーをオーダーメイドで製作し、治療手順もシミュレーション通りにワイヤーを順番に交換するため、治療に無駄がなく、他と比べて約4ヶ月ほど治療短縮ができると言われています。特に、治療ステップが典型的な「小臼歯抜歯矯正」がお勧めです。デーモンブラケットは他のセルフライゲーションブラケットよりは少し大きめなブラケットにはなりますが、そこまで違和感はなく、前歯部はホワイトセラミックのため、審美面でも問題ありません。ただスピード重視型であるため、摩擦が少ないシルバーワイヤーとなります。



インプラントアンカーとは何ですか?

矯正用のミニインプラントです。通常のインプラントと同様、骨と機械的に結合しますが、埋入してから通常最低2ヶ月ほどは待機してから使用を開始します。施術時間は数分間で終了し、ほとんどのケースで腫れや痛みはございません。アンカーと固定した歯は決して動くことがないため、「前歯を最大限下げたい」、「ガミースマイルを治したい」などのケースでは必須になります。アンカーを使用することで従来のナンスのホールディングアーチやトランスパラタルアーチなどの顎内固定装置を避けることができ、より違和感の少ない治療が可能となります。



MSE装置とは何ですか?

MSE(Maxillary Skeletal Expander)装置は、成人期にて上顎骨を拡げるために使用される矯正装置です。具体的には、矯正用インプラントを4本口蓋骨に埋入し、装置の真ん中にある拡大ネジを回すことで正中口蓋縫合を割り、上顎劣成長による叢生(でこぼこ)や反対咬合(受け口)などを改善します。この装置は固定式であり、術者が回すのではなく、基本的にはご家庭でご本人もしくは同居人に回していただく必要があるので、最低限の患者協力度が求められます。一方、小児期では、インプラントが不要なRPE(Rapid Palatal Expander)がお勧めです。



スピード矯正の寿谷法コルチコトミー法とは何ですか?

PGIグループの寿谷先生が考案されたスピード矯正法であり、歯槽中隔部に垂直的に、根尖部に水平的に骨穿孔を行うことでRap現象を誘発し、その生体反応を利用して矯正治療を行います。小臼歯抜歯矯正の治療期間は、通常2-3年ほどかかると言われますが、このコルチコトミーを利用すると、おおよそのスペースは9ヶ月程度で閉じ、平均1年3-5ヶ月程度で全ての治療が完了するという報告が多数ございます。当院での施術においては、PGIグループでコルチコトミーを学び、研鑽を積んだ複数の歯科医師が行いますのでご安心ください。



外科矯正の骨切り術は取り扱っていますか?

当院は診療所規模のクリニックのため、外科矯正の骨切り術は一切ご対応しておりません。まず、外科矯正については入院設備のある大学病院の口腔外科等との連携が必要となりますので、連携の取りやすい大学病院の矯正科で矯正の相談をされるといいでしょう。ただ、骨切り術は、国内において死亡事故も稀に起きており、一定のリスクが伴います。主治医の先生としっかりと相談をした上で選択されることをお勧めします。反対咬合(受け口)の顔貌の改善まで希望するならばもちろん外科矯正が適応となりますが、歯並び(噛み合わせ)だけの改善であれば、当院のMSE装置などで対応できるケースもございます。



保険適用で矯正治療は受けられるって本当ですか?医療費控除は使えますか?

はい、本当です。しかしながら、特定の疾患に該当し、かつ、大学病院などの自立支援医療機関での受診に限られます。代表的な特定疾患を挙げますと、顎変形症(上下顎の著しい成長異常、位置異常)、先天性疾患(口唇口蓋裂、クルーゾン症候群、ピエール・ロバン症候群、ダウン症候群)などです。これらに当てはまる方はもちろん、外科矯正の骨切り術を併用する方は保険適用での矯正治療が認められる可能性があります。一方、医療費控除は、自由(自費)診療で矯正治療を受ける方でも利用でき、その矯正治療が審美目的ではなく、咬合(噛み合わせ)治療目的であることが必須条件となります。当院でも医療費控除は利用可能です。